南うみを第二句集『志樂』 2012年 ふらんす堂

帯文 神蔵 器

  蟷螂の子にして揺らぎ進むなり
  氷にも箒目のあるお寺かな
  楮小屋氷柱を折つて入りけり
  猪垣の内外雪の押し合へり
  菊を折る音としばらく日溜りに

どの頁を開いても、身辺の微かな気配を掬い取っている視線が感じられた。それが、一集の好感度となっている。

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