寒靄や老は泳いでゐるごとし
日のくれの冬木は肘を張りにけり
蝶を飼ひ人差指はつかはずに
永き日をひとりでをれば塵もなき
鶴よりもましろきものに処方箋
國に恩賣りしことあり蠅叩く
繪草紙を買ひにやらせる暑気中り
1925年生れ。現代俳句協会賞を受賞している作者は表現を自在にあやつる。いや、そう見えるほど苦渋のあとを残さない完成度を持っている。どれを、と抜き書きするならどれも端から書きぬきたい自在さを得た作品である。
寒靄や老は泳いでゐるごとし
日のくれの冬木は肘を張りにけり
蝶を飼ひ人差指はつかはずに
永き日をひとりでをれば塵もなき
鶴よりもましろきものに処方箋
國に恩賣りしことあり蠅叩く
繪草紙を買ひにやらせる暑気中り
1925年生れ。現代俳句協会賞を受賞している作者は表現を自在にあやつる。いや、そう見えるほど苦渋のあとを残さない完成度を持っている。どれを、と抜き書きするならどれも端から書きぬきたい自在さを得た作品である。
HTML convert time: 0.182 sec. Powered by WordPress ME