今年は大型台風が、いくつもの河川を同時に破壊して通り過ぎた。そのために、いまだ家には戻れない人々も多い。だが、そんな惨事がなかったかのように、12月は好天が続いている。
我が家でも、この12月に入ってから突然、夫が遠くへ行ってしまった。もともと、大病のあとの余力で、療養生活を続けていたが、特別人の手を借りることもなく暮らしていたので、夫が病気である、という意識もあまり持ってはいなかった。
好天というのは有難いとしみじみ思ったのは、夫の葬儀のときである。鏡のように晴れ渡った空の元で粛々と葬儀は終わっているのが救いだった。