田芹

谷中銀座をぶらぶらしていたら、田芹が売っていた。
昔は春になると近所の田んぼで芹を摘んでいたが、今は田んぼが無くなってしまった。売っていたのは、その摘んだことのある田芹だった。

春の山菜は独特な味がする。なんの味かと言われても山菜の味としか言えない。その苦みも独特である。このところ、毎年春になるとタラの芽がいち早く店頭に並ぶ。さらに、そのタラの芽を天ぷらにしたものが売り出された。

以前は蕗の薹の独特な苦みに比べると、タラの芽は特別な味もしないような気がして、なんでみんなそのタラの芽を珍重するのだろうと思っていた。ところが、スーパーのタラの芽の天ぷらがなんとも不思議な複雑な味で、目にするたびに買ってきていた。

タラの芽が、いちばん上品な山菜のような気がしてきた。今頃になってそれに気が付いたのもおかしな話である。

知人が庭に繁縷がたくさんはびこっているので、食べてみようと思う。と言っていたので、どうなったかな、と思っていたら、結局繁縷という確信が持てないのでやめてしまったという話をしていた。

繁縷は七草粥の材料として新年の店頭に並んでいる。毎年買ってきて、一応種類を確かめてみるのだが、たしかに繁縷も混ざっていた。しかし、一本位しかない材料では味は解らない。

想像の中では、ほとんど味らしい味もしないのではないかと思った。その話を聞きながら街中を歩いていると、歩道の端に紛れもない繁縷がはびこっていて、花をつけていた。

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