炬燵から行方不明になりにけり    岩淵喜代子

1月12日「日本農業新聞」  鑑賞・宮坂静生

可笑しくも哀しくも読むことができる。
炬燵での円居は心温める。それなのに不意に居なくなってしまったとは、炬燵一つが人生の縮図を思わせる。好きな人ができてあの人がここから消えてしまった。どこかへ行ったやら。あの風来坊は。

事はときに深刻。赤紙が来て戦地に連れて行かれた。どこに果てたのやら。あの人はついに帰って来なかった。こんな戦争体験は二度としたくない。炬燵詠の秀作。
(「句集『穀象』ふらんす堂」より)

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