だれか呼ぶ薄墨色の霧の中   佐山苑子

ここには霧しか実体はない。いや霧という描きにくいものを怜悧に描き出した。薄墨色はまるで霧の陰影のようでもある。その奥から誰か呼んでいるのである。その声を聞いている作者と二人しかいないような世界が、シュールに描かれて美しい。

「佐山苑子句集『余音』 2017年  文学の森」より

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