薔薇園のはづれは椎の匂ふなり   長嶺千晶

見過ごしてしまいそうな何でもない景ともいえる。
それまで薔薇に捉われていた心にふと隙間風が入ったように、椎の匂いが入ってきた。この推移が薔薇園の鮮やかさから、椎の緑樹へと繋がる視覚的な景の裏打ちしていている。他に(蝌蚪に足出て笑いたき日なりけり)(鹿啼くや水にひろがる空のいろ)(母すでに綿虫ならむ暮ゆける)など。

〈現代俳句文庫ーー82『長嶺千晶句集』 2017年 ふらんす堂〉より

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