ピアノ鳴る耳の中まで大枯野    鈴木多江子

ピアノと枯野の取り合わせは、どこかにあるかも知れない。しかし、ここではその大枯野を大きい上にもさらに拡大して、聴覚の世界にまで響かせて果てしない枯野を描いている。

他に(憂ひとは大きすぎたる山椒魚)(太陽の白くなびけり初あらし)(麦秋や溺るるごとく旅に寝て)(秒針もまた長針も囀れり)など。鈴木多江子第二句集『鳥船』 2016年 ふらんす堂

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