あめつちは一枚貝よ大昼寝   恩田侑布子 

作者には異界も見えているのではないだろうか。言い切ってしまえばこの世は天と地の二つの空間にあるのだ。二枚貝という比喩は単純でしかも大胆である。句集全体に漲るのは王朝の物語への憧憬である。

「恩田侑布子第四句集『夢洗ひ』 2016年 角川書店」から。(冬川のゆくどこまでも天とゆく)(長城に白シャツを上げ授乳せり)(鷹翔つて空のこりたる木の香かな)(ゆきゆきてなほ胎内や雪女)(ころがりし桃の中から東歌)

コメントをどうぞ

トップページ

ににんブログメニュー

HTML convert time: 0.192 sec. Powered by WordPress ME