子規の忌の二階へ苦瓜を採りに   池田澄子

このごろどこの家でも夏の窓辺に苦瓜を植えている。ほっとけばどこまでも伸びてゆく苦瓜を、二階の窓にみつけて、苦瓜料理を思い立たのかもしれない。

今日が子規忌だと思えば青い実から糸瓜を思いおこすし、逆に苦瓜のぶら下がり様から糸瓜が思い浮かび、子規忌へと想像がスライドしていったかもしれない。子規と苦瓜の取り合わせが新鮮である。

「池田澄子第六句集『思つてます』  2016年  ふらんす堂」より。
ほかに  (飛び込めと水澄み登れよと大樹)(アマリリスあしたあたしは雨でも行くい)(八月と言葉に出せば偲ぶごとし)(ビルにビル映り戦没者慰霊の日)(子規の忌の二階へ苦瓜を採りに)

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