我が頭も南瓜も

明け方に南瓜が床へ転げ落ちたような音で目が覚めた。目覚め際の右目から青い火花が走った。そうしてやっとはっきり目が覚めてみれば、床に落ちた南瓜は私の頭だった。

それから痛いー、という感覚から自ずと床に当たった額に手をやるとなんとなく膨れている。どうしたものかな、と思いながら取りあえず瘤のあたりを冷やしながら、最適な処置をWEBで探したが、特別なことは出ていなかったので、自然治癒するのを待つしかないかなーと思った。

そんな顔を化粧で補いながら、吟行に行き、祝賀会に出席して、埼玉の秩父まで俳句選評のために出掛けた。そうして、カルチャーの俳句教室をこなして、兄弟で法師温泉に行く予定も実行した。さすが、旅先で暖まり過ぎていいものかどうか不安になって、とうとう温泉に浸かりながら髪は洗わなかった。

忙しい予定をこなしてからふと脳外科の前を通ったので、調べて貰うことにした。どうしてそうなったかも、本人も解らないのだからお医者さんも推測するしかない。起きたとたんに脳貧血でも起こしたかなー、などと看護婦さんと話していた。

一応異常は発見できなくて、たん瘤を作った直後でも、1週間経った今でも、顔に流れてきた血液は自然に消えるのを待つしかないという。まだしばらくかかるかなー、といった。

ところが、ところがそれから数日後、たん瘤を作ってから十日くらい経ったころ、まっ黒だった目頭は元の肌の色に戻ってきて、目頭から目尻に移動した血液も薄くなっていた。いちばん気になっていった頬の真中あたりの蒼さも薄れてきた。

血行をよくしたほうがいいだろうと思って通っていたエステ施術の担当者も「まだ14日しか経っていませんよ」、その消え方の速さに驚いていた。よかった。河原に夏草が伸び放題だった。

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