『受贈誌展望』 筆者 長野保代
『ににん』2016年冬号通巻61号。代表・岩淵喜代子
平成一二年秋、埼玉県朝霞市で岩淵喜代子創刊。「同人誌の気概」ということを追求していきたい。(季刊)四五〇部発行。創刊一五周年記念の祝賀会・俳句大会の大特集号である。
代表は「創刊十五周年に寄せて『ににん』のベージは自分と向き合う場」と記している。「五周年は一ににん」の会員は「同人誌とは」というテーマで書いています。十周年でも同人誌のありかたについての寄稿が巻頭を占めている。「ににん」に参加する在り様を認識しながら自分の発揮したいことを誌上に出し発行し、今後も『ににん』は散文・評論、俳句の発表に付いての制限なし、書きたい人が書く、書く場がある
ことが自分と向き合う場、今年度は特に俳句の試みに焦点を当てたい。二十周年にはその「試みの俳句」で編まれること夢見ています」と岩淵喜代予代表は述べている。
『ににん』十五周年記念句会 兼題 「百」
一位 百年の柱磨きて菊の酒 谷原恵理子
二位 百年を生きるつもりの秋刀魚焼く 浜岡 紀子
三位 百歳のはじめは赤子草いきれ 岩淵喜代子
齋藤愼爾特選
百代の巡請鍚菊の香少し帯び 高橋寛治
露葎百千万の光得て 鈴木不意
岩淵喜代子特選
思い出す百年前の夕涼み 田中庸介
川村研治特選
百本の菊お日様に万歳す 小笠原高志
ににん創刊十五周年企画「俳句と詩と」
三角は涼しき鶴の折りはじめ 岩淵喜代子
評論も読み応え十分な誌。今後のご発展をお祈り申し上げます。