白南風や吹かれてゐたる鬼瓦   成内酔雲

白南風は梅雨明けの頃に吹く南風、あるいはそのころの昼間の南風である。その風に鬼瓦が吹かれている、というのが諧謔である。風にはさまざまなものが吹かれていたとは思うのだが、あえてその中のいちばん影響を受けそうにも思えない鬼瓦に焦点を当てている。いや、作者はその鬼瓦そのものに、ただ真正面から向き合っているのだ。そのことを、白南風によって現わしているのである。

成内酔雲句文集『おやぢ』  2016年 文学の森から。他に(竹の秋ストンとしまるドアの音)(人の世の余白にをりし夜の秋)(さりげなく逢うて別るる花八手)など。

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