引鶴は一糸の赤い糸なりや   岡田史乃

季節的には、ここでは秋または冬の句を鑑賞したいと思ったが、この句に及ぶものがない。というよりも、この句が句集中の群を抜いた秀句と思うのである。鶴という神秘的な鳥の印象を(一糸の赤い糸なりや)に託した感覚に惹かれる。鶴は止まっている鶴ではなく、飛翔の鶴として捉えたい。

他に(立春の紙に小さな音生まれ)(陽を受けて水母に厚み生まれけり)(象の汗みたことあるか茅舎の忌)(学校が消えてなくなる青嵐)(四方から鹿の寄り来る山の冷え)など。第四句集『ピカソの壺』2015年  俳句界。(岩淵喜代子)

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