ゆきどころなき尺とりの空青し   山崎祐子

一読して確実な描写力を発揮した作品群だと思った。描写力とは言っても唯物的な輪郭よりも情感の濃い世界が展開して、ごく自然な息遣いが捉えた世界に納得するのである。掲出句は漠々とひろがる空の在り様が心情的に染み込んできた。他にも(岩礁に馬乗り海苔掻始む)(糸ゆるめ泣かすピノキオ鳥雲に)など。

山崎祐子第二句集『葉脈図』 2015年刊  ふらんす堂

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