若手俳人26人の作品集、それも関西のメンバーと受けとめたが、さらに俳誌「船団」関西若手という括りになるのだろう。
ひっかかるのはこの本の帯文である。
ーー東京がなんぼのもんじゃーー
タイトルだけなら、関西のグループのアンソロジーとあっさりうけとめたのだが、この帯文でもう一つの意識をもって発刊しているようだ。
| 風鈴の中に金魚が二、三匹 | 加納綾子 |
| 神々が跳び箱を待つ立夏かな | 黒岩徳将 |
| 漢和辞典ぴりぴりめくって行って、雪 | 二木千里 |
| 夕焼を回す遊具にしがみつく | 三木基史 |
| 象+象それがおそらく晩夏である | 山本たくや |
| 吸って吐くほどのことさるとりの花咲く | 手嶋まりや |
| 君の手のブリキノのじょうろ初夏だった | 山本晧平 |
| こんこんと子を眠らせて雛の間 | 山澤香奈 |
| 150年前の振子や梅開く | 藤田亜未 |
| 薔薇園の入口濡れてゐたりけり | 涼野海音 |
| 迂回して残暑の海へバスが着く | 久留島元 |
| 赤子やら冬瓜やらを抱き上げる | 岡田一実 |
| 午後七時ゆみちゃんという守宮いて | 舩井春奈 |
| 地図帳に白粉花を挟みけり | 伊藤蕃果 |
| 卒業は信号待ちの多い日で | 藤田俊 |
| 背の高さ耳のかたさを思う時 | 乘富あずさ |
| 指先の蜘蛛の子にくすぐられている | 河野祐子 |
| たましひの器を月に曝しけり | 羽田大祐 |
| 新入りのちいさないびき冬銀河 | 中谷仁美 |
| 炎帝へ口笛捧げやまぬ民 | 森川大和 |
| さくらんぼ手とかつないでみませんか | 工藤 惠 |
| 葉が揺れて葉影が揺れて風光る | 杉田菜穂 |
| 春愁は蛍光灯の紐の下 | 塩見恵介 |
| 制服を濡らして虹の現れる | 若狭昭宏 |
| ペンギンに愁思わたくしは引越 | 朝倉晴美 |
| いつだつてまひまひであるこれからも | 新家月子 |
