『関西俳句なう』  2015年 本阿弥書店

若手俳人26人の作品集、それも関西のメンバーと受けとめたが、さらに俳誌「船団」関西若手という括りになるのだろう。

ひっかかるのはこの本の帯文である。
ーー東京がなんぼのもんじゃーー
タイトルだけなら、関西のグループのアンソロジーとあっさりうけとめたのだが、この帯文でもう一つの意識をもって発刊しているようだ。

風鈴の中に金魚が二、三匹 加納綾子
神々が跳び箱を待つ立夏かな 黒岩徳将
漢和辞典ぴりぴりめくって行って、雪 二木千里
夕焼を回す遊具にしがみつく 三木基史
象+象それがおそらく晩夏である 山本たくや
吸って吐くほどのことさるとりの花咲く 手嶋まりや
君の手のブリキノのじょうろ初夏だった 山本晧平
こんこんと子を眠らせて雛の間 山澤香奈
150年前の振子や梅開く 藤田亜未
薔薇園の入口濡れてゐたりけり 涼野海音
迂回して残暑の海へバスが着く 久留島元
赤子やら冬瓜やらを抱き上げる 岡田一実
午後七時ゆみちゃんという守宮いて 舩井春奈
地図帳に白粉花を挟みけり 伊藤蕃果
卒業は信号待ちの多い日で 藤田俊
背の高さ耳のかたさを思う時 乘富あずさ
指先の蜘蛛の子にくすぐられている 河野祐子
たましひの器を月に曝しけり 羽田大祐
新入りのちいさないびき冬銀河 中谷仁美
炎帝へ口笛捧げやまぬ民 森川大和
さくらんぼ手とかつないでみませんか 工藤 惠
葉が揺れて葉影が揺れて風光る 杉田菜穂
春愁は蛍光灯の紐の下 塩見恵介
制服を濡らして虹の現れる 若狭昭宏
ペンギンに愁思わたくしは引越 朝倉晴美
いつだつてまひまひであるこれからも 新家月子

 

 

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