花の下からまつさをの眼の馬を曳く  田吉 明

ーー1つの《組曲》は1頁乃至見開き2頁に収められる。一主題としての情景は、一句数句それぞれの一つにあって、語であり句(行)であることの相関に、展開の構造をもつ。ーーと作者自ら後書きに書き記している。

私のブログの形式上一句だけを抽出してあるが、それでは本当の鑑賞にならないのだ。要するにこの一書は句集というより詩集というほうがいいのだろう。
花の下から真っ青な眼の馬が曳き出されたとする一句だけでも十分不思議な世界を提示している。

忘れこしものの眼がある春の闇
  この馬に乗れば輪廻を駆けるのか

しかし、この二行が加わることで、もう一度真っ青な馬の眼がさらに印象的になる。

それは、「洋燈」と題された次の作品を読むことでも理解すると思う。

冬木立の似合ふランプを買つておいで    田吉 明 
  遠き日のかなたに青き灯を入れる
  失くした天に似合ふランプを買つておいで

田吉 明『憂愁平野』2014年  霧工房

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