白梟頸回さねば白づくめ    猪俣千代子

対象を見つめるということはこういう事なのだろうと、ほとほと感心してしまった。目前に居るのは白い梟だけ。作者はそれを何かに例えるのでもなく、その背景に視点を移すこともなく、ただただ白い梟を凝視していたのである。
(白い梟は白づくめ)を言うだけで梟の姿は伝わるのであるが、それでは平面的表現のままである。(首を回さねば)この措辞によって、回すと色が現れるかのような仕掛けで、不思議さが生まれ、一句の陰影が生まれた。(冬満月もすこし近く寄れさうな)(末黒野の端つこ踏めば火の匂ふ)(するすると蛇棒立ちになりにけり) 句集『八十八夜 2014年11月 角川学芸出版

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