カステラと聖書の厚み春深し  岩淵喜代子

(「俳句四季」3月号一枚の絵)シリーズ掲載の「1枚の絵」。逸水御舟の「伊太利亜オリヴェート所見」の絵に掲句が寄せられている。絵の選択は編集者か作家か定かではないが、「炎舞」などの御舟の代表作でないところに意図が感じられる。画面いっぱいにイタリアの家屋を据え、いく分物憂げな、、いわゆる御舟らしくない絵。作者はあえてその絵に描かれていないカステラと聖書を即物的に据えた句を寄せた。そこに思い入れがあるのだろう。その結果、単なる絵の説明にならず、独立した一句となった。
キリスト教文化を土台にした生活劇と作者独自の色彩までが「一枚の絵」に加わる。深みゆく春を立体的に据えて、イタリアの田舎街の日常を描いた御舟の絵と響き合う。絵と句の距離感が心地よい。(筆者・閲朱門 『門』6月号より)

コメント / トラックバック1件

  1. Plp より:

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