秩父

はなJPG  いような遠いような場所が秩父である。というのは、住んでいる地域と同じ埼玉県だからである。それでも、山里として希に見る純粋なもの。なにしろ、秩父線の駅を降り立って、歩けど歩けど駄菓子屋もないという場所が多い。

今日は白久串人形の上演を秩父まで観に行った。1時から始まるというので、先に芝桜で有名な羊山公園に足を運んだ。芝桜はまだこれからが盛りのようだが、明日からは入場料が必要なのだとか。

bunnraku1JPG、午後から白久地域で受け継がれている串人形劇の見物となった。串人形とは二本の串で人形を操るもので、四、五十センチの人形が細部まで行き届いた動きをして、衣装も小さくても早変わり、肩脱ぎと大きな人形と変わらない所作をこなす。演目は、「壺阪観音霊験記」「弁慶上使之段」など。途中で舞台の後ろの秩父線をSLが走り、白い煙が雲のように棚引いた。

そんなに見物客がくるわけでもなく、公民館のようなところの庭にビニールシートを敷いて、座布団をしいて、演目の間にはお茶のサービスまでしてくれた。鉄道も敷かれていない昔からの年に一度の娯楽だったのだろう。ところで、この演じる人も謡う人もいなくなって、東京から太夫さんを呼んできているという。

別ルートで合流した男性が山菜をたくさん仕入れてきてくれて、演目の間に分け合ってお土産もできた。この白久駅から20分くらいのところに30番札所がある。ご開帳の年でもあるので出かけてみた。日曜だというのに私たちの他には人影を見ない。駅には熊が出るので気をつけてという看板が立てかけてある。気をつけてといってもどうすればいいのか。

お参りをすませての帰り道、靴の踵にコツンとぶつかるものがあって振り返るとガマガエルだ。小さくてもガマガエルはちょっと気持ちが悪い。キャーとばかりに足を速めると追いかけて来るではないか。池には、そんなヒキガエルがうじゃうじゃ居た。

 

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