八月の数字の跡の残りたる
鳩の目の離れてゐたり花の雨
春の炉の指にかぶつてゐる光
アカシアの花どこまでも手を振つて
一月の電気に紐のぶら下がる
冬めきて英和辞典にゐる家鴨
冬眠の前にさびしくなつておく
ペンギンは瞼を閉ぢて夜の火事
1974年生、「炎環」「豆の木」所属。第一句集と呼ぶにふさわしいナイーブナ句集である。詠まれている光景は日常の誰にでも見えているもの。それが作者の感覚で組み合わされた季語によって不思議な空間をつくりだすのだ。
八月の数字の跡の残りたる
鳩の目の離れてゐたり花の雨
春の炉の指にかぶつてゐる光
アカシアの花どこまでも手を振つて
一月の電気に紐のぶら下がる
冬めきて英和辞典にゐる家鴨
冬眠の前にさびしくなつておく
ペンギンは瞼を閉ぢて夜の火事
1974年生、「炎環」「豆の木」所属。第一句集と呼ぶにふさわしいナイーブナ句集である。詠まれている光景は日常の誰にでも見えているもの。それが作者の感覚で組み合わされた季語によって不思議な空間をつくりだすのだ。
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