井上康明句集『峽谷』2012年10月  角川書店

最近終刊になった「白露」の編集部に所属し、「雲母」から連なってきた作家。自然の中に埋没しながら、無理のない表現がじんわり沁みてくる。

自選十句
人とある大黒柱冷やかに
真鯉緋鯉触れ合うてゐる朧かな
秋風や切り出して岩横たはり
大年の風吹く甲州善光寺
若竹の伸ぶ勢ひなり揺るるなり
老鶯や墓石ひとつづつまどか
立ち上がる人に影ある晩夏かな
秋の潮眼差しにこゑよみがへり
影くれなゐに万両の五六粒
春満月四肢めぐりたる水の色

コメント / トラックバック2件

  1. 桑本螢生 より:

    句集の題名が間違っています。
    正しくは、「峡谷」です。

  2. ご指摘ありがとうございました

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