秦夕美第十五句集『深井』2010年11月刊 ふらんす堂

たましひの影とびかへり冬紅葉
木の洞に賀状一枚秘めておく
菜の花の裏はどうにもならぬなり
空海も爪切りをらむ夕端居
而して死海にダリヤ二三輪
人かへす花野は天をひきずりて

とりあえずは、第15句集という数に驚く。秦さんはこの他に俳句鑑賞やエッセイなども多数出版しているので、一人で本棚が満たせる。

句集名の『深井』とは能の女面の一つで中年の役に使われる、と後書きにある。この説明で、長い間の秦氏の句の世界が一本に繋がるような気がした。抽出した句のどれを読んでも、完全なる非日常への飛躍がある。

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