遠矢』2012年10月号  主宰・檜 紀代

現代俳句月評  筆者・関口 巌

蛸斟の国日の出日の入り響きけり 岩淵喜代子
                   「俳壇」六月号、「葦舟」より。

 生まれたての蝌蚪は群を成し黒い塊となっています。あたかも一つの国のように。蝌蚪も朝・夕は精力的に捕食行動にでますので、それを騒乱のようだと捉えています。水底の騒乱の音は、聴覚には反応
しませんが、視覚より心に強く響いてくるものがあると作者は詠われました。
 田舎育ちの筆者も同感です。三段切れにも見えますが、対比を用いた一句一章形です。

コメントをどうぞ

トップページ

ににんブログメニュー

HTML convert time: 0.652 sec. Powered by WordPress ME