朝吹英和句集『夏の鏃』 2010年刊・ふらんす堂

ダイヤルを回す記憶や夜鷹鳴く
青雲のことなどしばし暖炉燃ゆ
受付に梅雨の鯰の来てをりぬ
二の腕の記憶辿りし朧月
霜の花夢の階段磨きをり
ラビリンス靑き乳房とポピー揺る
紫陽花や白磁の皿にパスタ盛る
偶像を砕きし夏の鏃かな

第一章は音楽に造詣の深い作者の本領を発揮している集積のようである。残念ながら、その音楽に無知な筆者には、その後の作品から選ぶ句が多かった。

一句目の「ダイヤルを」の作品は指でダイヤルを回しながら、次の番号をを指が覚えているかのようにダイヤル回されてゆく夜であるが、そこから非日常へと誘われる。このように、どの作品もその背景の物語へ誘うものがある。

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