『円錐』  創刊20周年祝賀会

soukann

『円錐』主宰・澤好摩氏の祝賀会が、アルカディアで行われた。シンポジューム「戦後派俳人の作品」が1時30分から4時までとかなり長丁場であった。論者は恩田侑布子・岸本尚毅・高山れおな氏。論点がいまひとつ絞れなかったが、多分活字になるときには、章立てやら推敲でもっと輪郭がでるのだろう。

『円錐』、そして澤好摩氏を認識したのは、数年前の「俳句界」の座談会に同席したのがきっかけだ。そのお名前を目にしたときは、前衛の分野の俳人と言うぐらいのおぼろげな認識しかなかった。しかし、その俳句は,その師である高柳重信よりはるかに分かり易いし抒情的である。この『円錐」は最近病気の糸大八氏のために基金を募り、それで糸氏の句集も刊行した。篤い仲間意識である。

     昼寝覚め象にあたまを跨がれて               澤好摩
    春闌けてピアノの前に椅子がない
    病院の廊下の果てに夜の岬
    ものかげの永き授乳や日本海
    セーターを脱ぐとき昼の海の匂い

この祝賀会は私の所に送られた案内状には8日(日)となっていた。だから昨日の筈なのだが、括弧の中に日曜日とあるので戸惑ってしまった。8日の朝、アルカディアに電話を入れてみると9日だという。それで会場の受付で「8日になっていたから混乱してしまったわ」というとそうですか、と間違いに気がついていないのだ。なんだかまた混乱してしまった。間違っているのは私のほうかな、と密かに携帯のカレンダーを見ると、やはり今日は9日だった。でもみんな混乱しないで出席しているのである。

知らない人ばかりの会だとおもったら、トイレに見知った女性陣がかたまっていた。案内の日付け間違っていたわよねー、というと、そうなのよと原さんが言って、池田さんは私は直したのを貰ったからといった。やっとなんだか、混乱が鎮まった。会場で挨拶していたひとが、この祝賀会にはぜったい出席しようと、宿泊の手配のために、アルカディアに電話を入れるとまだその時点では、祝賀会の予約は入っていないことを知ったらしい。予約もしないで先に決めていたのに驚いていた。

乾杯を頼まれた人が、「そんなこと聞いていなぜ」と独り言を言いながら壇上にあがった。そのあと池田さんがあいさつして、次に私に振られた。えーと思ったが、事前に聞いていても私の挨拶は短いのだから構わない。私はアバウトな人間と言われているが、澤さんもかなりアバウトな人物なのかもしれないと思って親近感が湧いた。

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