八木忠栄個人誌『いちばん寒い場所』64号  2011年9月

 創刊したのはいつだったのだろう。知る限りでは22号が 1996年12月。平均すると年二回ほど刊行していることになる。しかし、それ以前も詩の個人誌として『にぎやかな街へ』を発行していたので、個人誌を発行するのは八木氏の自作の作品確認の場になっているのはないだろうか。個人誌は単調になりがちだが、八木氏は詩と俳句と文章が盛り込まれて程良いひろがりを見せている。そのなかの俳句のみを抜粋してみた。諧謔の中に批判をこめている。時代背景を意識しなければシュールな映像にも見える。

  逃水に攫われてゆく園児たち
  掌に余る乳房と花の闇
  ふるさとは梅にうぐいす時々あんぱん
  炎天からぶらあんぶらんスカイツリー
  そぞろ寒こよい女は猫になる

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