奥坂まや第三句集『妣の国』2011年6月 ふらんす堂

跋 高橋睦郎
『妣の国』は『列柱』『縄文』につづく第三句集。そのタイトルからも重い句集という印象を抱いていたが、それともちょっと違う象徴詩的である。たぶんそれは、ピンポイント的な描写方法にあるのだろう。

  五月雨や老人の列前進す
  炎天に歯車が犇いてゐる
  ゆうがほはいつもまちくたびれてゐる
  秋澄むや老人象をみつめをり
  桃のあるのは人生のちよつと外
  冬芝に金の日射せば子が消ゆる

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