2016年5月5日 のアーカイブ

かたはらに水の光れる猫柳   伊藤敬子

2016年5月5日 木曜日

猫柳は銀白色の毛の目立つ花穂、ことに春先には河辺などで目を惹く植物である。「ネコヤナギ」と呼ばれる和名は、その花穂がネコの尾のようでもあるからだろう。確かに動物の毛並みを感じさせる感触である。

だがここでは、傍らを流れる水のひかりに焦点を当てながら、猫柳の花穂のひかりを重ねて、春のもっとも春らしい息吹を言い表している。

(伊藤敬子第十六句集『初富士』2016年  角川書店より)。この句集の装丁も素晴らしい。白の表紙に金文字の句集名。帯も純白、見返しが萌黄色。なぜか白無垢の花嫁衣裳のようである。

ほかに、(福笹を担げる人に蹤きゆけり)(秋草の吹かるる原を振り返る)(天平の色の玉虫掌に貰ふ)など、どの一句も俳句の王道をゆく句群が並ぶ。

大空の端は使はず揚雲雀  岩淵喜代子

2016年5月5日 木曜日

『笹』5月号  主宰。伊藤敬子
現代俳句月評  筆者・赤木和代

(「ににん」冬号「三角は涼しき鶴の折りはじめ』より)春の陽気を感じる頃、田圃の辺りを散策すると忙しそうに上空に囀っている雲雀をよく見かける。

大空は、まるで自分のものかと思っているかのように騒がしい。上五中七の「大空の端は使はず」というところに納得してしまう。

かと言って大空に端があったのかなと思いなおす自分に気づき笑ってしまう。「は」がこの句のアクセントになってしまう。

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