2014年5月8日 のアーカイブ

岸本尚毅句集『小』 2014年3月  角川学芸出版

2014年5月8日 木曜日

頭から肘へつたはる甘茶かな
猫の如く色さまざな浅利かな
植ゑし田のさざ波遠くゆくが見ゆ
夏楽し蟻の頭が蟻を踏み
わが前に暗き新樹として立てる
新涼や肘より遠きたなごころ
眼のふちに水の来てゐる秋の蛇

本当は一句を為すまでのストーリもあるのかもしれないが、作品のどれにもその苦心の痕跡はのこらないので心安らかに味わっていける。それが岸本ワールドなのだと思う。浅利の模様を猫に見るのも、蟻を拡大した提示の仕方も、何事もない日常を(肘より遠きたなごころ)によって作品化しているのも、技というものを感じる。

筑紫磐井句集『我が時代』ー2004~2013ー  2014年 実業公報社

2014年5月8日 木曜日

一書は第一部の句集と第二部の文章に分かれている。

まずはまえがきが筑紫さんらしい。
最初にF・フォイエルバッハの『唯心論と唯物論』の抜粋を置いて、人は老いてゆく条理の中で、自分の意志がある。そうして自分の本質の自覚こそが生きること、と言っているのだろう。

阿部定にしぐれ花やぐ昭和かな
ばらばらの顔であひたき同窓会
欲望が輝いてゐた戦後とは
余生とはうかつにすごす末期かな
老人が群れてかごめや十二月

当然ながら無季俳句がおおいので、選ぶときにどうしても内容に気を取られてしまうが、全体に、今回の文章と俳句作品を合せて、人生、ことに老いることに焦点があったている
。実際にお目に掛かっているときの印象のまま、本来的に生真面目な真摯な人なのだと思う。

2014年5月 『航』 創刊号

2014年5月8日 木曜日

主宰・榎本好宏

ふと手にして、もう長いこと続いている雑誌のような感じがしたのは、そのデザインのせいだけではなく、雑誌造りを手掛けてきた経験が生かされているからだろう。元「杉」編集長だった榎本氏主宰の隔月刊の俳句雑誌。周囲から見ればもうとっくに創刊していても良かったのではないかと思う。

箸置きにまでも菜の花明りかな    榎本好宏

それからは妻の言ひ分蝌蚪の紐    小林雪柳
けふ見えぬ富士をこころに磯菜摘   百瀬七生子
掴みさう踏みさう姉の石鹸玉     石井公子

2014年3月 『クプラス』 創刊号

2014年5月8日 木曜日

*高山れおな・山田耕司・上田信治

以前「いい俳句とは」とはというアンケートが来たことを思い出した。そのアンケートを第一特集として、第二特集は「番矢と櫂」
これもまた『俳句新空間』と同様のウエブサイトから発展してきているようだ。ーー「クスラプ」が望むところはただ俳句だけだが、さしあたり不足しているもろもろを、俳句のために差し出せればと思うーーーとある。あまりに短い俳句は、どこかで欲求不満が付き纏うのではないだろうか。そのジレンマが雑誌を作らせている気がする。

2014年2月 『俳句新空間』 創刊号

2014年5月8日 木曜日

*発行人 北川美美・筑紫磐井
一年前から開始されているウエブサイトの俳句空間を紙媒体にしたもの、という編集後記があり、ざっと百人位の見知ったひとたちの名が連なっていた。顔ぶれから、これから何かはじまるのかなという予感の雑誌である。

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