馬に生れ馬に死にたる朧かな   高橋比呂子

一生を言い留めること、振り返ることを、どれだけの人が繰り返しているか。そんなことがたったの17文字に託せると知ったときに、俳句はやはり凄いなーと思う。他にも、(干鱈の一年分は窮屈なり)(日蝕やああ太古よりにがよもぎ)(夏薊そしてみんなやさしあつた)などにも言える。

高橋さんの句には掲載句のような人生の深遠を見詰める句がおおいが、その表現方法は言葉の感覚を駆使した象徴性にある。(砂の聖書ふくろうの火であり)(脳天に美童あふれし冬の地震)(砂の聖書ふくろうの火であり)など。

第四句集『つがるからつゆいり』  2016年 文学の森

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