火の神をねぎらふ冬至祭せむ   矢島渚男 

矢島渚男句集『冬青集』 2015年9月 ふらんす堂より

古代から火はさまざまなシーンを物語る中心にあった。怖いものであると同時に、片時も無しでは人間の生活は成り立たない。(ねぎらう)には、そうしたもろもろの思いが重なっているのだろう。普段は何気なく見過ごしているものに立ち止まらせるのも、季節の節目というものなのだろう。ほかに、(蜥蜴らにジュラ紀の眼麦の秋)(毛の国は雷神の領出会いたし)(犬は犬呼びとめてをり春の暮れ)。(筆者・岩淵喜代子)

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