印刷所に再校の「ににん」ゲラも送って、毎回ながらちょっと開放感を味わっているひと時である。私にとってほんとうに楽しませてくれる雑誌である。それだけではない。この「ににん」という広場があるお蔭で、大いに手足を伸ばして遊ぶことが出来る。
「ににん」がなかったら、例えば大冊の評伝『頂上の石鼎』など書けなかっただろう。ましてやその次の『二冊の鹿火屋』など書く気力が出なかっただろう。場を得る、ということはこういうことなのだ、と改めて思うのである。一号ごとの成果は微々たるものだが、振り返った時に積み重ねた月日の厚みが見える。これが同人誌の同人誌たる所以ではないかと思っている。
今年も約束のように曼珠沙華が咲いた。このシルバーウイークの間にお墓参りに行ってこようと思っている。