三日月に吊しておきぬ唐辛子   岩淵喜代子

「遠矢」4月号
現代俳句月評  筆者・景山 薫

「俳句」12月号「子規忌」より。 夜窓のカーテンを閉めるときの景ではあるまいか。凡人なら乾かしている唐辛子の乾き具合にしか目がゆかず、それを確かめただけで窓を閉めたであろう。しかし作者は違った。目線を上げ、くっきりとした三日月を見つけた。

白い三日月と真っ赤な唐辛子。この二つをドッキングさせるため、三日月を鉤に見立てた作者の炯眼。童話の一シーンになるようなメルヘンチツクな一句。

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