先頭が手を差し入れてゐる泉   岡野泰輔

タイトルが刺戟的、表紙も刺戟的、そして帯文で坪内稔典氏が――分ろうとしない。前から順に読まない。退屈なとき、とても贅沢な気分のとき、なんだか泣きたいとき、ぱらっと何ページ目かを開く。すると、そこにある言葉が話しかけてくるだろう。---と書くのも刺戟的である。

だか一句ごとを追っていくと、わりあい身近に共感できそうな句が並ぶ。掲出句も泉へ手を差し入れる感触を他者を通して感じているのである。他に(天井のはるかに遠き夏蒲団)(南からをとこ来たれり夜のプール)など。岡野泰輔第一句集『なめらかな世界の肉』2016年 ふらんす堂  岩淵喜代子記

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