後ずさりして見る実梅あるわあるわ   能村研三

実のなり初めは樹木の葉の色に紛れていて、見ようとしないものには姿を現さない。
それがひとたび実が成っていることを認識すると、個々の青い実がみんな形を表わしてくる。さらによく見ようと後ろに下がって、一木を視野におさめてみれば隅から隅まで青梅が姿を表わせて思わず(あるわあるわ)と感嘆の声が出てしまったのだろう。
ほかにも、(一軒のための踏切雁わたし)(青竹を伐らずにをりし祭まで)など、日常雑記的な風景を詩情濃く俳句にしている。

能村研三第七句集『催花の雷』 2015年 (株)KADOKAWA

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