中原道夫句文集『百句百話』  20013年  ふらんす堂刊

一句に一つの物語を唱和させたような見開きで一作品として完結している。日常のようでいて、いつの間にか非日常へ連れ込まれてしまうのが、魅力的だった。

   深雪晴猫を狂はす木も謐か

に挿入されているのは、店で木天蓼の小枝の束が売っていた。隣には瓶詰の木天蓼が目に触れた。それでも猫が狂うのか聞いてみたが、店員は聞いてみますと何処かに行ってしまったまま、待てど暮らせど戻ってきなかった。旅の一瑣事なのだが、その中心にあるのが木天蓼故にこの話は影を作って面白いのだ。

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