谷口麻耶句集『鏡』2012年8月  角川書店

噴水のつぎつぎかたちが気になつて
囀りの外の鴉が啼きにけり
人ごゑの届かぬ高さ鳥帰る
万緑や鳥には鳥の道しるべ
届かざるところにいつもからすうり
ぞろぞろと行つてしまいぬ捕虫網
海風の通へる路地に鷹の爪

最近の噴水は意表をつくかたち、高さを見せてくれるので、思わずいつまでも立ちつくしてしまう。谷口氏の視点はそうしただれでも気に留めていたことを提示してくれることで、詠み手の共感を促す作品集である。

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