藤沢紗智子第一句集『逢ふ人のあり』 2012年 角川書店

 後書きには中学生のころから俳句を始めたとある。その作者(1938年生)の第一句集であるから、膨大な句数から抜粋されたものということになる。

  東京に逢ふ人のあり春の雷

 句集名になったこの句は、昭和51年で、原裕主宰に師事して間もなくの作である。長い年月ではあるが、句集名にしたこの句に、作者の俳句志向が象徴されているような気がする。

  含羞草みな眠らせて島を去る
  雲の峰海へせり出す工場群
  白猫を汚して帰す春の月
  雲が雲押して夏野に夕べ来る
  げんげ田に鬼の放ちし子がふたり
  着ぶくれて鶏の機嫌をそこね

コメントをどうぞ

トップページ

ににんブログメニュー

HTML convert time: 0.269 sec. Powered by WordPress ME