使わない椅子

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要らない椅子だが、居間に出してきたのは東京に就職が決まっている孫娘が来たときに食卓の椅子として使えるからだ。しかし、普段は食卓とは反対の南向きの窓辺に置いて観葉植物の鉢を置くことにした。黒が映えてインテリアめいていい感じである、と悦にいっていたが……。

いつの間にか鉢はもとのチェストの上に収まって、その代わりに小物入れが置かれていた。「どうして?」とつれあいに聞くと椅子に鉢を置くなんてオカシイ、と宣うのだ。この小物入れは窓の向うの薮にやって来る小鳥を見るための双眼鏡や電卓、ボールペンやら虫めがね。今日はその中に近所で貰ってきた柘榴も入っている。

それでは全く要らないもの同士をガラクタとして部屋の隅に押しやっているみたいではないか……と言ってもつれあいは元の置き場所を主張する。なぜ頑強に主張するのかは分かっている。それらの鉢のすべては私が買ってきて、つれあいが育てているからだ。

今年も、こうした微かな齟齬の積み重ねはあっても、無事に大晦日が越せそうである。

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