加藤耕子第六句集『翁忌』(株)ウエップ

俳誌『耕」代表であるとともに、英文誌の『耕」も発行して国際的な活躍をしている俳人だが、俳句は伝統を踏まえた骨格を感じる一集である。

  潮の香のかすかに流れ青芒
  野やひろしところどころに春の丘
  音立てて馬穴の底を蟹歩む
  かげろふや戦を知らぬ人の群
  どの枝も葉と葉を重ね柿青し
  灯の山の煙の中まで黄落期

読み終わって、ゆるやかな自然への接し方が伝わってきた。

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