2016年8月6日 のアーカイブ

貼り交ぜる切手とりどり巣立鳥    岩淵喜代子

2016年8月6日 土曜日

俳誌「月の匣」 主宰・水内慶太

詩海展望    筆者・田中喜翔

「俳壇」六月号) 俳人と郵便の係わりは深い。毎日俳句や文章を書いては出し、来たものを受け取り郵便に追い立てられながら仕事をしているのだが郵便物は規格や重量厚さによって料金が決つているので例えば一四〇円の場合は一〇〇円と三十円十円の切手を貼り交ぜることになる。

掲句の場合、意味は異なるが「とり」の語が三回繰り返されとてもリズミカルだ。巣立鳥のように手元を離れてゆくのはきっと佳信であろう。ちなみに鳥の図柄の切手は十円と一部の八十二円。

『紫』八月号   主宰・山崎十生

2016年8月6日 土曜日

俳誌紹介   筆者・久下晴美

◎俳誌「ににん」春号(季刊 通巻六二号)
○代表=岩淵喜代子 編集人=川村研治
○発行所=朝霞市溝沼五‐一下上四
*平成十二年秋、岩淵喜代子が朝霞市で創刊。師系は原裕。「同人誌の気概一ということを追及している。主宰は置かず、季刊誌として四月・七月。十月。一月の年四回発行。投句者全員が同人で、昨年秋に通巻六十号、創刊十五周年を迎えた。同人作品は「ににん集」と「さざん集」から成り、各五句ずつ掲載。巻末綴じ込みのエッセイ集「雁の玉章(かりのたまずさとは十七号となり、六名が執筆。

◇ににん集より(兼題…受信)
松過ぎの岬へ運ぶ受信音          岩淵喜代子
大欅ただ今春を受信中          大豆生田伴子
ふたたびの世に寒北斗受信せよ       武丼 伸子

◇さざん集より
風花や発掘されし柱穴           川村 研治
へうきんな冬雲ふはりひよこ色       高橋 寛治
行列の影が影踏む春隣           服部さやか

*巻頭には山内美代子句画集「藤が丘から」・浜田はるみ句集「韻く」の出版祝賀会と書評を十三頁にわたり載せている。岩淵氏は〈石鼎余滴〉として原石鼎の評伝を四頁執筆。

*余談だが「ににん」のウェブサイトも充実している。〈喜代子の折々〉は代表の日常が綴られており素顔が垣間見えて興味深い。

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