山ノ上ホテルでの『件』の会、みなづき賞授賞式。
今年は芭蕉研究家の雲英末雄監修の『カラー版 芭蕉、蕪村、一茶の世界」(美術出版社)及び『芭蕉・蕪村・一茶 雲英コレクションに見る近代俳諧の美』展。
雲英末雄先生はお体の具合が悪くてお見えにならなかったが、お弟子さんの、蕪村の俳画についての講演が面白かった。蕪村は絵は売るために、俳句は自分の遊びとしていたらしい。蕪村の何枚かの俳画の解説を聞いていたが、学問っていうのはこうやって探るのだなー、ということを実感した。
例えば、上の俳画は「夜にうとき星の匂ひやんめのはな 台斗」。蕪村のこの絵の人物は頼朝であるというきめてが、着物の笹の紋。これは現在の鎌倉市の紋章であることから、追っていくのだ。そうして頭のおおきな頼朝にゆきついたあと、覗いているのは、極楽寺坂の途中にある星月井という風に解明してゆく。なぜ星月井かは、台斗の句の内容から。
それにしても雲英末雄先生の授賞式なら、磯辺まさるさんもお見えになるははず、と思っていたが、懇親会のときにようやく、姿を見ることが出来た。磯辺が10ヶ月ほど前に刊行した江戸俳画紀行 は雲英末雄のアドバイスも受けながら纏めあげたもの。それにしても、少し会わないうちにかなり痩せた。自然に痩せたのだという。