『俳壇』5月号特集「平成の結社40」 筆者・高下なおこ
船べりに座らせてをく紅椿
たはむれに吹く草笛の火の音色
--文字をかきつらねことは、自分に向き合うこと。自分の好きな作品をただひたすら追えばいい。
『俳壇』5月号特集「平成の結社40」 筆者・高下なおこ
船べりに座らせてをく紅椿
たはむれに吹く草笛の火の音色
--文字をかきつらねことは、自分に向き合うこと。自分の好きな作品をただひたすら追えばいい。
春の作品集(前号)を詠む 石蔦岳
幻を形にすれば白魚に
幻をいかに表現するかというと、こういう風になるという作者の見方の提示なのだ。無色透明な白魚はまさに幻。
現代俳句月評 評者 水越菖石
雲雀には穴のやうなる潦 「俳壇」5月号「草笛」7句より
初夏の青空を映す潦。この何気ない風景が俳人の目には単なる水溜りには映らない。作者は揚雲雀となって高い空から遥か下界を見下ろしているのである。その目には、潦が地面に穿たれた、限りなく深い「穴」に見えるのである。雲雀の立場になって高所から地上を見下ろすというこの発想の転換は如何にもベテラン俳人らしい。時にはこういう大胆な発想で句を詠んでみたいものである。
「俳壇」5月号「草笛」7句から 評者 木野ナオミ
たはむれに吹く草笛の火の音色
〈たはむれに〉は、ちょっと試しにくらいの気持ちだろう。ところがなかなか音がでてこず、額に青筋をたて、顔を真っ赤にして頑張った結果ピーッと音がでた、まさに〈火の音色〉だったと思います。
喜代子の折々 の 2010年7月 のアーカイブを閲覧中です。
HTML convert time: 0.115 sec. Powered by WordPress ME