2008年5月 のアーカイブ

表紙絵

2008年5月10日 土曜日

中西さんから電話があった。何度もお目に掛っているのだが、そんなに親しく話したことはない。彼女は最近、結社誌を創刊したが、その表紙のセンスは最近の雑誌の中では抜群である。

「表紙だけじゃねー」と謙遜していたが、私は雑誌は器も大いに大切だと思っている。そんな中で、今お気に入りの二つの一つが中西さんの「都市」、そしてもうひとつが、向田貴子さんの「歴路」である。

向田さんの雑誌は贅沢で、毎月表紙絵が違う。同じ作家のものだが、幻想的な絵を月がわりで楽しませてくれる。
「いいわねー」とか「贅沢ねー」とか、向田さんに会う度に口をついて出てしまう言葉だ。

「いやー・・・、そんなお金は払えないのよ、と言ってあるので、本人自前の表紙なの。あとで、作品集として発表する積りで描いているみたい」とおっしゃった。うーん、なおさらいい。

ところで、中西さんの用事は、週刊俳句の「俳句つながり」から頼まれたので私のことを書く、というのだ。それだけではない。そのあと、こんどは、私が誰かのことを書いて、その人にバトンタッチするらしい。いやー、どうしよう。「そのひと、インターネットを使ってないとね」という。

buroguyou1.jpg  中西夕紀主宰 『都市』創刊号

地震

2008年5月9日 金曜日

寝ようかな、と立ちかけたときに地震は始まった。私の使っているパソコンはデスクトップだけ別個に机から立ち上がっているので、揺れには弱い。倒れてはいけないと暫く抑えていたが、今回の地震は横揺れのまま長かった。

ようやく治まって、気がついたのだが後ろの資料棚のほうがもっと危険だった。一応ストッパーが効いているが、何しろ本の類だから、信用してはいけない。デスックットプくらい壊れても取替えが効くが、後ろから棚が倒れてきたらきっと大怪我になる。身辺に置いているのは石鼎資料だけ。それだけで、周り中が囲まれてしまっている。

震源地は茨城の沖だとか。syoko.jpg   

 
久し振りに俳人協会の図書館に行ってきた。GW明けのせいか混んでいた。それを見越して早めに入って窓際の机を占領した。

本を用意してくれている間に、棚の結社誌をパラパラ繰っていたら、「狐啼く世に百年といふ区切り」という句にであった。わたしが昨年10月ごろ角川「俳句」に発表した
「陶枕や百年といふひとくくり」に至近距離。
この句はもう句集に入ってしまっている。

知っている名前の人だった。知っている人なら、12月頃の鼎談でも繰り返されたこの句を目にした筈。知らない間に身についてしまうとしたら、怖いことだ。それでも、以前のように12文字が全く同じで、季語だけ変わって半年後に
登場するよりは良しとするべきなのか。短いだけに俳句は怖い。心しなければ。                                                       

朝日新聞2008/4/26

2008年5月6日 火曜日

西村和子 時評より

ーー岩淵喜代子の第四句集『嘘のやう影のやう』(東京四季出版)は、比喩に冴えがある。「運命のやうにかしぐや空の鷹」「古書店の中へ枯野のつづくなり」実景と幻影の境界を明らかにしないおもしろさ。「「海牛をどこから運んできたのやら」「ブリキ屋に用はなけれど風知草」など、かろやかなおかしみがある。ーー
 

以上が「朝日新聞」の時評の私に関する抜粋だが、西村さんが「運命のやうにかしぐや空の鷹」を取り上げてくださったのは、嬉しい限りである。こうした類の句は、自分の中で確たる実感で、発表することに迷わないのだが、案外、他からは、やり過ごされてしまう。解説しにくいからである。わたしも解説したくない。返り見られなくても、それでも自分を信じてゆくしかないかなー、という思いである。

第20回俳人協会埼玉支部大会

2008年5月3日 土曜日

「俳人協会埼玉支部大会」は毎年何故か五月三日に行なわれるのが、恒例となっている。ところが、この日が秩父の吉田町塚越の花祭りが行なわれるのだ。小さな村でよくこんなに大変な祭りが続いているのかと思うような見事な花祭りである。

折角ここまで来たのなら、その花祭りも見たいと思ったが、近所には小さな民宿が3軒あるだけで、前年の宿泊客がもう予約を入れてしまう。あまりに奥まった地域で、とてもついでに見て帰るというわけにはいかない。

それでも、駅近くのホテルにでも泊まって翌日の昼間の様子だけでも見て帰ろうかな、と思ったが、懇親会のあと観光協会に寄ってみたが、「1軒もありません」というにべも無い返事が帰ってきた。秩父もGWは混むのだ。

これなら、もっと早く地元の人に運動しておけばよかった。午前中から総会、俳句大会、懇親会と一日がかりだったので、見たのは12番札所だけ。牡丹が咲いて、藤が咲いて、けまんそうが咲いて秩父は五月に一斉に花盛りなる。

来年は人形の町岩槻だが、その次はそちらのほうで、と名指しされてしまった。一応、志木の相川シマさん・中田尚子さん・富士見市の井越芳子さん・入間の山口素基さん。他にも入力することなら、という心強い助っ人も現れて、何とか出来るのかなーという感じ。

しかし、朝霞は観光地もないし、知られているのは平林寺。それより、会場が二ヵ月前でないと取れないというネックがあって、困った状態を抱えなくてはならなくなった。

懇親会と120人を越す大会会場にはそれなりの費用が必要なのだが、集めているのは千円と懇親会費用だけ。かなり切り詰めた予算を組んでいる。でも、こちらは東京隣り合わせの地域だから、そんなわけにもいきませんよねー、と中田尚子さんと話し合って、ホテルも視野に入れて、会場探しをしましょう、という事におちついた。

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