朝日新聞2008/4/26

西村和子 時評より

ーー岩淵喜代子の第四句集『嘘のやう影のやう』(東京四季出版)は、比喩に冴えがある。「運命のやうにかしぐや空の鷹」「古書店の中へ枯野のつづくなり」実景と幻影の境界を明らかにしないおもしろさ。「「海牛をどこから運んできたのやら」「ブリキ屋に用はなけれど風知草」など、かろやかなおかしみがある。ーー
 

以上が「朝日新聞」の時評の私に関する抜粋だが、西村さんが「運命のやうにかしぐや空の鷹」を取り上げてくださったのは、嬉しい限りである。こうした類の句は、自分の中で確たる実感で、発表することに迷わないのだが、案外、他からは、やり過ごされてしまう。解説しにくいからである。わたしも解説したくない。返り見られなくても、それでも自分を信じてゆくしかないかなー、という思いである。

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