SOS

毎月一回通う煥乎堂書店の俳句教室は、いつも特急の水上号で行く。新幹線と特急とどちらが早いかといえば、どちらとも言えない。特急なら浦和から新前橋まで60分。新幹線なら大宮から高崎まで25分。一見新幹線のほうが早そうだが、高崎から新前橋までの乗り換えに手間取るので同じになってしまう。それよりも、今の時期は駅で数分たりとも待ちたくない。

十年以上通っているのに、今日始めて気がついたことがある。車両の全面にトイレやら電話の所在が記されているところに、SOSと赤文字で書かれたボタンがあるのだ。これって、たぶん急病者がいたり、暴漢がいたりしたときには、押せば乗務員に繋がるのだろう。日頃、何か有ったときに運転手の居るところまで走っていかなければならないのかと思っていたから、いいものを発見した。もっと宣伝しておいてもいい。

 いつだったか、ほかに乗客がいたのに、凶器をつきつけられて、トイレに連れ込まれて強姦された女性の事件がある。聞くだに腹立たしい事件である。腹立たしいのは、犯人だけでなく周りに居た人たちもである。裁判では以前の罪も重なって17年とかの求刑が出された。あの記事を見たときも、乗務員のところまで走って知らせにいくのは手間取るなー、と思ったことがある。犯人に凄まれて40人いた乗客も動かなかったというが、ボタンくらいなら、取りあえず押せるのではないか。

上州に入ると榛名富士がすっかり雪を被っていた。帰りは新幹線だったが、さてあのSOSに代わるものは見つけられなかった。空いている列車になると、一両に数人のときがある。どこにいても怖いことは起こる世の中になった。 ににん 

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