ひとり旅

島に渡るにはこちらの都合だけではなく天候にも左右されるのだ。何故って、飛島行の船は波が荒いと即欠航にしたり、時間を早めたりしてしまうからである。宿より飛行機の切符よりも、船が運航されるかどうかを確めるのが優先だから、こちらが都合がついたからと言って実行には移せない。

明日は予定通りに運行しますよ、という返事を貰ってから、飛島で以前お世話になった宿の女主人にお墓までの案内人を見つけておいてくれるようにお願いしておいた。それから飛行機のチケットを買って、酒田のホテルの予約するという順序になる。

七月に行ったときには、がらんとしていた船が、座る席がなくなるほどの乗船客だった。お墓参りやこの五連休の行楽の若者である。なごし旅館の女主人は以前のようにやはり旅館の旗を掲げていた。客も満員らしかった。お墓参りの案内人をお願いしておいて正解だった。一人では場所を見つけられないような場所だった。昨日は天候が荒れていて、酒田からの船が出航時を早めて出発したらしいが、今日は予定通りに酒田に帰れた。

一人旅だったせいか、この緊張は夜まで続いた。まずは、予約したホテルが朝食しかやらないというので、夜の町に食事に出かけたが、暗くて道が分からない。ほんとうはコンビニ弁当でもよかったのだが、そのコンビニらしきものも、そうした食べ物を売っている場所も酒田の町にはないのである。いかに静かな町であるのかがわかる。

ところが、この五連休の俄な人出で、飲食店はどこもごった返していた。ホテルの人がはんぱじゃない人出ですからね、と言っていたのを証明するような状況だった。一人で、それも見知らぬ町の飲食店に入るのは緊張したが、夕食を食べないで寝るのもなーと思って、勇気を出して店に入った。ちょっとお洒落なお店は、イタリアンのようなフレンチのような、と思っていたら、豆腐メニューも焼き鳥もあった。

私の後から入ってきた人は「いっぱいです」、と断られていたが一人分の席はあるらしかった。夫婦連れの隣のカウンター席だった。太った人は無理だなー、というような狭いスペースだったが、端っこで落ち着けた。二人連れの奥さんの方が、座ったとたんに狭くってごめんなさい、と言ってくれたので、すぐに打ち解けてしまって、よそ目には三人連れみたいな雰囲気に見えただろう。

そのご夫婦は一ヶ月前に探したのに宿が何処にもなくって、とんでもない町はずれの宿で、車で10、2,3分かかるのだという。それで初めて私がレストランが無くても、予約できたことは幸運だったったことを知った。ご夫婦はこの土地出身でお墓参りにきたのだという。

その後は、ホームページを見てみます、というお返事をいただいてお開きになった。

コメント / トラックバック2件

  1. 伊田早百合 より:

    岩淵さま
     
     お久しぶりでございます。やっとホームページを開く事が出来ました。
     
     先日は楽しい時間をありがとうございました。お帰りは大丈夫でしたか?
     
     大変なお仕事をなさっていらっしゃる・・・想像以上です。

     お会い出来たこと嬉しく想いおこしました。

     帰り道渋滞に巻き込まれ、家に着いたのが10時間後・・・まだ疲れが取れません。

     お恥ずかしい限りです。笑 これからもちょくちょくホームページを開かせて

     いただきます。母の俳句も久しぶりに見てみようかと・・・親不孝な娘です。

  2. 実は先日は私にとっては凄い一人旅だったのです。なんだか、一人旅に自身がつきました。またやれそうです。
    ブログに書いたとおり、翌日は一人ではいけない庄内砂丘も訪れることが出来ました。
    そのうちシャソンのリサイタルなどがあるときには、お誘いください・

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