「銀化」2009年9月号・主宰中原道夫

「現代俳句月評」より         評者 山田 露結

     海月浮く神父は今日の祈り終へ      岩淵喜代子

 海月が浮いていうことと、神父祈りを終えたこととは直接関係がないように思われる。神父は祈るということを自らが生きていく上での役割として日々を過ごしている。
 専門的なことはわからないが、ただ浮いているだけのように見える海月もきっと、海月が生きてゆく上での役割として、そうしているに違いない。
 あらゆる生命がそれぞれの役割の中で生れて死んでゆくことの不思議を思う。
                                         (俳句研究夏号発表句)

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