トロイの木馬

やっぱり電気やさんが運び込んだのはエアコンではなくトロイの木馬だった。
洗面所の石鹸に櫛で削ったような跡がある。その形は見知っている懐かしい歯形だ。夫に見せるとやはり「鼠みたいだ」というのである。確かめるためにまた新しい石鹸を置いた。

まもなく夫が「おいおいやはり、鼠が出るみたいだ」と言いにきた。先日エアコンを運び込んだガラス戸の内側にある障子の桟が削られていて、木屑も下に積もっていた。「いったい何処から入るんだ」とぶつぶつ言っていたが、水屋の流しの排水口しか考えられない、ということで、その排水口を塞いだらしい。

あれから確かに石鹸に歯形も付かないし、障子の桟が齧られている様子もない。廊下の端にある小さな水屋は、この頃全く使わないので、その存在も忘れていた。

鼠騒ぎが終ったら、こんどは蜥蜴だ。それも我家の内側で出合った。就寝前の窓を閉めてから、敷居に蜥蜴が張り付いているのが目についた。普段なら慌てて新聞紙などで払うのだが、窓には網戸があるのだ。網戸があってもなくても、蜥蜴をみたとたんに、足が竦んでしまってどうしていいか分からないのだ。蛇だけでなく蜥蜴も冬眠に入る筈。その穴を探せないで迷ってしまっているのだろうか。

どうしようかと、部屋を見回したがいい考えは浮ばない。ふたたびふり向いたときには姿はなかった。まさか、本棚の後で冬眠なんてことはないだろ。そんなことを志したら、きっと干乾びてしままうことを教えなければならない。閉めたガラス戸をまた少し開けた。蜥蜴さんに出て行ってもらうしかない。何十年も住んでいるのだが、こんなことは初めてである。庭ならよく見かけているのだが・・。

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